突然ですがクイズです!!
下の写真の1番から4番の中で、正しい結び目の形はどれでしょう?
結論をまず言いますと・・・
全部正解です!!
ええええ!?!?
どういうこと~???
というわけで、この記事では、角帯の結び目の正しい向きについて解説します。
ちなみに、上の写真の角帯の締め方を貝の口結びと言います。貝の口結びの読み方は「かいのくちむすび」です。
法被を着る時に使用する角帯の締め方の中でも、もっとも代表的な締め方になります。お祭りに参加している人たちを見てみると、ほとんどの人が貝の口結びの帯の締め方をしています。
貝の口結びのやり方については別の記事で詳しく解説しています。貝の口結びの手順について知りたい人は、関連記事をご覧ください。
目次
角帯の結び目の正しい向きについて動画で解説
角帯の貝の口結びの正しい向きについて動画で詳しく解説しています。まずは動画をご覧ください。
帯の専門用語
貝の口結びの結び目の正しい向きについて解説する前に、まず帯の専門用語について解説します。この専門用語を理解していないと、結び目の正しい向きの説明が分からなくなってしまいますので、しっかりと勉強しましょう!
手先
角帯を締める前に、角帯の端から30cmくらいのところまで半分に折って、幅を細くします。
この細くした端のことを手先といいます。手先の読み方は「てさき」です。角帯を締める時は、まず手先を脇腹に当ててから、角帯を体に巻いていきます。
輪
半分に折った折り目のことを輪といいます。輪の読み方は「わ」です。帯を折った時の折り目の方です。
垂れ先
角帯を体に2~3周巻くと、手先の反対側の端が余ります。
この余った端のことを垂れ先といいます。垂れ先の読み方は「たれさき」です。
結び目の向きの違い
帯の専門用語を理解していただいたと思いますので、もう一度、1番から4番までの結び目の形の写真を見てください。
1番と3番の結び目は手先が右側にきています。
そして、2番と4番の結び目は手先が左側にきています。
また、1番と2番の結び目の手先の輪は上側にきています。
そして、3番とよ4番の手先の輪は下側に来ています。
このようなかたちで、手先と垂れ先の向きがちょっとずつ違うのですが、どれが正解なのか分からないですよね。
そこで、着物の着付けの先生にどの向きが正しいのか何人かに聞いてみました。
そしたところ、着付けの先生によって言ってることがバラバラなんです!
ある先生は「手先が右側の方が正しい」と言う人もいれば、ある先生は「手先は左側の方が正しい」と言う人もいました。また、輪も「上が正しい」という人もいれば「下が正しい」という人もいました。
結局、どれが正解なのかの結論はでませんでした・・・。
ですので、祭塾としてはこう結論付けました。
全部正しい
これが正解です!!
呉服屋さんにも確認したところ、「先生によって言ってることが違うから、どれも正解だよ」と言っていたので、どの向きで帯を締めても正しいです。
ですので、お祭りに参加している時に自分以外の人が違う向きで帯を巻いていても、別に自分が間違っているわけではありませんのでご安心ください。
結び目の向きはどれも正解です!!
なぜ結び目の向きが統一されていないのか?
帯の結び目の向きがバラバラで統一されていない理由は、実は歌舞伎に由来しています。
歌舞伎には大阪を中心とした上方歌舞伎と東京を中心とした江戸歌舞伎があります。上方歌舞伎の演目をやるときの帯の締め方が関西巻きと呼ばれる帯の締め方になります。そして、江戸歌舞伎の演目をやるときの帯締め方が関東巻きと呼ばれる帯の締め方になります。
関西巻は帯を時計回りに巻いていくやり方です。そして、関東巻きは帯を半時計回りに巻いて行く帯の締め方になります。
ちょっとややこしい話になりますが、関東巻きを上方歌舞伎でやっていないのかというと、実はやっているんです。上方歌舞伎でも江戸歌舞伎の演目をやる時は、あえて関東巻きにして帯を巻いています。
こんなかたちで、歌舞伎では演目によって帯の巻き方を変えています。この名残で時計回りに帯を巻くか、反時計回りに帯を巻くかが分かれています。
ちなみに、お祭りは歌舞伎ではないので、関東巻きでも関西巻でもどっちでも大丈夫です。なので、自分が巻きやすい方向で帯を巻いていただければ大丈夫です。
関西巻きと関東巻きの結び目の向きの違い
関西巻きと関西巻きで結び目の形がどう変わるのか解説します。
関西巻きの結び目の向き
時計回りに帯を巻いて行く関西巻きの場合は、結び目の手先が体の左側に来ます。
ですので、最初に見ていただいた結び目の中で、2番と4番は関西巻をした帯の結び方になります。
関東巻きの結び目の向き
反時計回りに帯を巻いて行く関東巻きの場合は手先が体の右手側に来ます。
ですので、1番と3番の結び目が関東巻きで巻いたものになります。
関西巻きと関東巻きの注意事項
ちなみに、法被ではなく女性が着物を着る時に帯を巻く時は、関西巻きと関東巻きを気を付けなければいけません。
女性用の着物の帯によっては関東巻きにした時に綺麗に柄が出るように作られているものや、関西巻きにした時に綺麗に柄が出るように作られているものがあります。そのような帯を締める時は、きちんと関西巻きと関東巻き考えなければいけません。
しかし、お祭りの帯の場合は、一本どっこのように一本線が引かれているだけの柄や、小紋柄が描かれているだけのようにシンプルな柄のものが多いです。ですので、法被を着る時の帯は特に関西巻きと関東巻き意識しなくても大丈夫です。
輪の向きが統一されていない理由
最後に、輪の向きもバラバラで統一されていない理由について解説します。
帯の輪が上向きになっている人もいれば、下向きになっている人もいます。ちなみに、どちらの輪の向きも正解になります。
輪の向きが統一されていない理由ですが、かなり調べたり、いろんな人に聞いたのですが、その起源が分かりませんでした・・・。
ごめんなさい。
着物の着付けの先生によっては「輪の向きは上にしなさい」という人もいれば、「輪を下向きにするのが正しい」という人もいます。ですので、輪の向きもどちらも正解で大丈夫です。
帯の結び目の形の好みでどちらにするか選んでください。
間違った結び目の向き
角帯の貝の口結びの結び目の向きはどれも正解と解説してきましたが、明らかに間違えている方向が1つだけあります。
それが、手先と垂れ先の位置が下側になってしまう形です。ちょうど、結び目がへの字の形になってしまう状態です。
これだけは、間違っていますので注意してください。貝の口結びの場合は必ず手先と垂れ先が上側に向くようにつけるのが正しい付け方になります。ちょうど、結び目の形がVの字の形になる状態です。
とはいえ、手先と垂れ先が下側になるように帯を結ぶのは至難の業です。普通に帯を結んでいただければ自然とVの字型になりますので、そこまで心配しなくても大丈夫です。ご安心下さい!
角帯を売っているお店
店舗で購入
お祭りで法被を着る時に使用する角帯は祭り用品専門店の祭すみたやのお店で購入することができます。角帯の締め方が分からない方には、祭すみたやのスタッフが正しい締め方をアドバイスさせていただきますので、安心して角帯を購入することができます。ぜひ祭すみたやのお店にご来店くださいね。
祭すみたや 助信駅前店
〒430-0911 静岡県浜松市中央区新津町14-1
電話 053-489-3398
メール info@sumitaya.co.jp
ネット通販で購入
角帯は祭すみたやのネットショップでも購入することができます。お店に行くことができない人でも、パソコンやスマホから簡単に角帯を注文することができます。近くにお祭り用品店が無い方は、ぜひ祭すみたやのネットショップをご利用ください。