お祭りで法被を着る時に使用する帯には角帯、博多帯、真田帯などいろいろな種類があります。そんなお祭り用の帯の中でも、締めるのが簡単でお祭り初心者さんにおすすめなのが巻き帯です。巻き帯の読み方は「まきおび」です。
この記事では巻き帯の正しい締め方について動画と写真で分かりやすく解説しています。
角帯の締め方については別の記事で詳しく解説しています。角帯の締め方を知りたい人は、関連記事をご覧ください。
目次
巻き帯の種類
お祭りで法被を着る時に使用する巻き帯ですが、いろいろな種類があります。
たくさんの種類があるのですが、大きく分けると次の2種類があります。
- 幅が細いタイプの巻き帯
- 幅が太いタイプの巻き帯
幅の細いタイプの巻き帯には、楊柳巻き帯や一重巻き帯があります。そして、幅が太いタイプの巻き帯には、手ぬぐいや着物の反物生地を使った巻き帯や三尺巻き帯があります。
まずは、それぞれのタイプの巻き帯の特徴について解説してみたいと思います。
幅が細いタイプの巻き帯の特徴
まず、幅が細いタイプの巻き帯の特徴について解説してみたいと思います。
幅が細いタイプの巻き帯には楊柳巻き帯や一重巻き帯などの商品があります。楊柳巻き帯の読み方は「ようりゅうまきおび」です。そして、一重巻き帯の読み方は「ひとえまきおび」です。
幅が細いタイプの巻き帯の幅は18cmくらいの幅になります。
これは実は、反物巻き帯をちょうど半分に折り曲げた幅と同じ長さになっています。
反物生地を使った巻き帯の場合は、巻き帯を締める前に生地を半分に折り曲げるという準備が必要です。
これに対し、楊柳巻き帯や一重巻き帯といった幅の細いタイプの巻き帯は、はじめから反物生地を半分に折り曲げた幅になっているので、巻き帯を締める前にわざわざ生地を半分に折り曲げる必要がありません。ですので、すぐに巻き帯を締めることができるのが良い点です。
また、幅が細いタイプの巻き帯は、生地がずれにくいので、初めて巻き帯を締める人でも簡単に体に巻き付けることができるのが良いところです。
楊柳巻き帯や一重巻き帯に使われている生地について説明します。
楊柳巻き帯ですが伸縮性のある織り方で生地が作られています。また、一重巻き帯はポリエステルの生地で作られているので、とても生地が柔らかいです。ですので、楊柳巻き帯や一重巻き帯は体にきつく巻きつけることができるのが特徴です。
初めて巻き帯を使う人でも、とても簡単に、見た目も綺麗に巻き帯を締めることができるので、特にお祭り初心者さんにおすすめの巻き帯です。
幅が太いタイプの巻き帯の特徴
続いて、幅が太いタイプの巻き帯の特徴について解説します。
幅が太いタイプの巻き帯とは、手ぬぐいを切る前の反物生地や着物・浴衣を作るための反物生地を帯に流用した帯のことです。
反物生地ですが、本来は手ぬぐいに使用したり、着物や浴衣を作る時の生地です。
小幅(こはば)と呼ばれる幅の長さになりまして、幅の長さが36cm~38cmくらいの長さになります。
そのままの幅の状態ですと、巻き帯にするにはちょっと幅が広過ぎるので、巻き帯にする時は小幅の生地を半分に折り曲げてから使用します。
生地を半分に折り曲げて巻き帯にするので、巻いている時に生地がずれてしまって、ちょっと巻き帯を締めるのが難しいです。
しかし、世の中で販売されている手ぬぐいや着物・浴衣の生地がそのまま巻き帯として使用できるので、とにかく柄や色の種類が豊富なのが良い点になります。
他の人とは違う巻き帯を締めたいというお祭り中級者さんや上級者さんにおすすめの巻き帯です。
男性と女性の巻き帯の締め方の違い
男性と女性の巻き帯の締め方の違いについて解説してみたいと思います。
男性と女性で巻き帯の締め方に違いはあるんですか?とよく質問されるのですが、実は男女の巻き帯の締め方は同じです。
着物や浴衣の場合は、男性と女性で帯を締める位置や、結び目の作り方が異なるのですが、お祭りで法被を着る時の帯の締め方については、男性と女性で違いはありません。
女性が着物や浴衣を着る時に帯は胸元あたりに巻くので、法被を着る時も同じように胸元あたりに帯を巻いている人をたまに見かけるのですが、これは間違っているので注意してください。
法被を着る時の帯は、男性の場合も女性の場合も締め方は同じです。
男性と女性の帯の締め方の違いについては別の記事で詳しく解説しています。巻き帯だけでなく、角帯の男女の締め方の違いについても説明していますので、気になる人はぜひ関連記事をご覧ください。
幅が細いタイプの巻き帯の締め方
楊柳巻き帯や一重巻き帯の締め方について解説していきたいと思います。
楊柳巻き帯も一重巻き帯も締め方は一緒ですので、この記事では楊柳巻き帯を使って締め方を解説します。
楊柳巻き帯の締め方を動画で解説
幅の細いタイプの巻き帯である楊柳巻き帯の正しい締め方について動画で解説しています。締め方は動画で見る方が分かりやすいです。一重巻き帯も締め方は同じです。
楊柳巻き帯の締め方
【1】左手側のエリが上に重なるように法被のエリを重ねます。男性の場合も女性の場合も左手側のエリが上に重なるようにします。
【2】巻き帯を締める時は、腰ひもを使うと法被がはだけにくくなります。まず腰ひもを巻いておくことをおすすめします。腰ひもは腰骨あたりに巻きます。
腰ひもの結び方については別の記事で詳しく解説していますので、気になる方はぜひ関連記事をご覧ください。
【3】左手側の先端が50cmほど残るようにして、巻き帯を背中側から体にあてます。
【4】左右の巻き帯をおへその前で交差させます。
【5】交差した部分を1回きつくねじります。
【6】短い方の端をねじった部分に2回巻きつけます。
【7】巻き帯を体に巻いていきます。巻き帯がたるまないように、強く引っ張りながら巻いていきます。体の太さにもよりますが、だいたい2周くらい巻きます。
【8】余った端は巻き帯の内側に入れます。
【9】もう一方の端はおへその前で2回巻きます。
【10】余った端は巻き帯の内側に入れます。
【11】最後に巻き帯の形と法被の形を整えて完成です。
楊柳巻き帯を綺麗に締めるためのポイント
楊柳巻き帯や一重巻き帯を綺麗に締めるためのポイント2つご紹介したいと思います。
ポイントの1つ目ですが、巻き帯を締める位置は腰骨あたりに巻くようにしてください。
女性の場合、着物や浴衣を着る時の帯の位置が胸元あたりなので、法被を着る時の巻き帯の位置もちょっと上目に巻いてしまう人がいるのですが、これは見た目がとても格好悪いので絶対にやめてください。
男性の場合も、女性の場合も、巻き帯を締める位置は腰骨あたりになります。
ポイントの2つ目ですが、巻き帯を締めた時の形は前は細く、後は太くすると見た目がとても綺麗になります。
巻き帯の前側は、結び目に向かってだんだん細くなっていくのが見た目がとても綺麗です。そして、巻き帯の後側は、お尻を包み隠すぐらい太くするのがポイントです。こうすることで巻き帯を粋に格好よく締めることができます。
巻き帯を締める時は前は細く、後側は太くを守るようにしてください。
幅が太いタイプの巻き帯の締め方
反物生地を使った巻き帯の締め方について解説していきたいと思います。
手ぬぐい用の反物生地を使う場合も、着物・浴衣用の反物生地を使う場合も、同じ巻き帯の締め方になります。この記事では、着物用の反物生地を使って
巻き帯の締め方を解説していきたいと思います。
反物巻き帯の締め方を動画で解説
幅の太いタイプの巻き帯である反物生地を使った巻き帯の正しい締め方について動画で解説しています。締め方は動画で見る方が分かりやすいです。
反物巻き帯の締め方
【1】まず、反物巻き帯を締める前の準備をします。生地がまだ反物の状態の場合は、3mの長さにハサミでカットします。
【2】反物巻き帯を半分に折り、幅を細くします。3m分すべて半分に折るようにしてください。
【3】反物巻き帯を端からクルクル巻いていきます。これで、反物巻き帯を締める前の準備ができました。
【4】左手側のエリが上に重なるように法被のエリを重ねます。男性の場合も、女性の場合も、左手側のエリが上になるようにします。
【5】反物巻き帯を締める時は、腰ひもを使うと法被がはだけにくくなります。まず腰ひもを巻いておくことをおすすめします。腰ひもは腰骨あたりに巻きます。
腰ひもの結び方については別の記事で詳しく解説していますので、気になる方はぜひ関連記事をご覧ください。
【6】反物巻き帯の端を30cmほど残し、左の腰骨あたりにあてます。
【7】反物巻き帯を体に巻いていきます。体の太さにもよりますが、2周~3周ほど体に巻きます。体に巻く時は、おへその前まで反物巻き帯を巻いたら、1回反物巻き帯をねじります。強く引っ張って、反物巻き帯がたるまないようにします。そして、さらに反物巻き帯を体に巻いていきます。再び反物巻き帯がおへその前まできたら、反物巻き帯をねじり強く引っ張ります。
【8】一番最初に腰骨にあてた端を上から取り出します。
【9】両方の端を持って、おへその前で1回結びます。
【10】おへその前でもう一回しばり、こま結びにします。
【11】右手側の端を巻き帯の内側に入れます。
【12】反対側の端は、おへその前のこま結びを包むように2周巻きます。
【13】余った端は巻き帯の内側に入れます。
【14】反物巻き帯と法被の形を整えて、完成です。
反物巻き帯を綺麗に締めるためのポイント
反物生地を使った巻き帯を綺麗に締めるためのポイントを2つ紹介したいと思います。
ポイントの1つ目ですが、男性も女性も反物巻き帯を締める位置は、必ず腰骨あたりに巻くようにしてください。反物巻き帯を締める位置が、上過ぎても下過ぎても見た目が野暮ったくなってしまうのでご注意ください。
ポイントの2つ目ですが、巻き帯を締める時は、前は細く後は太く形を作るのが粋に格好よく着こなすポイントになります。
巻き帯の前側は結び目に向かってだんだん細くなっていくようにすると見た目が綺麗です。また、巻き帯の後ろ側はお尻を包み隠すように太くするのが
粋で格好いいです。
巻き帯の締め方のリーフレット
巻き帯の締め方をイラストで解説したリーフレットが無料でダウンロードできます。神輿会や町会に新しく入ったメンバーに配ったりしてご利用くださいね。
巻き帯が買えるお店
店舗で購入
お祭りで使用する巻き帯は祭り用品専門店の祭すみたやで購入することができます。たくさんの種類の巻き帯をご用意していますので、お祭り衣装のコーディネートに合わせて選んでくださいね。サイズも子供用から大人用まで幅広く取り揃えています。巻き帯の締め方が分からない人には祭すみたやのスタッフが説明させていただきます。
祭すみたや 助信駅前店
〒430-0911 静岡県浜松市中央区新津町14-1
電話:053-489-3398
メール:info@sumitaya.co.jp
※ 遠州鉄道 助信駅から徒歩1分
※ 大駐車場完備
ネット通販で購入
巻き帯は祭すみたやのネットショップでも購入することができます。日本全国に巻き帯を配送可能です。即日出荷が可能な巻き帯もありますので、急にお祭りに参加することになっても対応可能です。ぜひご利用ください。