毎年5月3日~5日のゴールデンウィークに静岡県浜松市で開催されるお祭りが浜松まつりです。参加者は3日間で100万人を超える日本でも最大級のお祭りです。赤ちゃんの誕生を祝って、昼は大凧(初凧)を揚げ、夜は初練り(激練り)をします。
お祝いをされる赤ちゃんのことを初子(はつご)と呼びます。赤ちゃんが生まれたら、浜松まつりで初子のお祝いをするのが浜松市民の夢でもあります。
しかしながら、「初子のお祝い」をやることになったものの、何をやっていいのか分からない人もたくさんいるかと思います。特に、浜松市以外の出身ですと、浜松まつりで何が繰り広げられるのかも分からず不安な人も多いかと思います。
そんな人のために初子のお祝いのやり方をマニュアルにしました。
このページを読んでいただければ、
- 初子のお祝いの準備期間から本番当時の流れ
- 接待料理、祭り衣装、初凧などの用意の仕方
が分かります。
このページで解説している内容は一般的な流れになります。行事やイベントの開催時期やタイミング、内容は町内により異なります。このページの内容通りとは限りませんので、詳細については必ず各町内のお祭りの役員さんにお問合せください。
目次
初子のお祝いのやり方を動画で解説
初子のお祝いのやり方を動画にまとめましたので、まずはご覧ください。
準備期間について
それでは、まず準備期間にやることを解説していきます。準備期間は1月から4月までの間になります。
初子説明会(時期:1月中旬~2月上旬くらい)
すべては初子説明会から始まります。浜松まつりは各町内ごとに組織される凧揚げ会に所属する町民の人たちによって運営されます。
凧揚げ会が主催して説明会が開催されます。
だいたい12月中旬くらいから1月中旬くらいにかけて回覧板等で「初子説明会のご案内」が届くと思います。ご案内に説明会の開催日時や場所が書いてありますので、参加申し込みをしてください。
この初子説明会では、
- 凧揚げ会・組長の紹介
- 初凧の料金
- 初凧の大きさ
- 準備期間の流れ
- 本番当日の流れ
- 必要なもの・費用
といった浜松まつりでの初子のお祝いに関する全ての話が、町内の凧揚げ会の役員さんから説明があります。
初子のお祝いに関する大切なことは、この初子説明会で確認できますのでしっかり話を聴きましょう。分からないことは説明会に参加している凧揚げ会の役員さんに何でも質問しましょう。
役員さん自身も初子のお祝いをやったことがある人が多いので、自分の経験談なども教えてくれると思います。
申し込み(時期:1月中旬~2月末くらい)
初子説明会で「初子のお祝い」の申し込みをしてもいいですし、家族と相談してから後日申し込んでも大丈夫です。
申し込みの時は、
- 赤ちゃんの名前
- 赤ちゃんの生年月日
- 家紋
を尋ねられると思います。
家紋は初凧と呼ばれる大凧に描いたり、旗やお酒に描いたりと、浜松まつりの期間中に何かと登場します。家紋の名前が分からない場合は、墓石や仏壇に入っている家紋を写真で撮影しておくといいですよ!
申し込み時に必要なものは、各町内によって異なりますので、必ず初子説明会の時に聞いておきましょう。
祭り衣装をそろえる(時期:2月~4月くらい)
浜松まつりに参加する時は、正装(せいそう)と呼ばれる祭り衣装を着ます。
浜松まつりの正装とは、
- 腹掛(はらがけ)
- 股引(ももひき)
- 鯉口シャツ(こいくちしゃつ)
- 地下足袋
と呼ばれる祭り衣装が基本になります。
祭り衣装は浜松市内にある祭り用品店で購入することができます。
祭り用品専門店の「祭すみたや」では、大人用の祭り衣装はもちろんのこと。赤ちゃん用の祭り衣装も豊富に取り揃えています。浜松まつり直前は大変お店が混みあいますので、赤ちゃんを連れて行くのは大変です。3月末くらいまでに購入しておくことをおすすめします。
浜松まつりに参加するのに必要なお祭り衣装は祭り用品専門店の祭すみたやで購入することができます。初子の赤ちゃん用サイズの衣装も豊富に取り揃えています。もちろん子供用サイズや大人用サイズも取り揃えていますので、ご家族全員分のお祭り衣装を購入することが可能です。分からないことは何でも祭すみたやのスタッフに聞いてくださいね。
〒430-0911 静岡県浜松市中央区新津町14-1
電話 : 053-489-3398
法被・ワッペン・提灯をそろえる(時期:4月末までに)
浜松まつりに参加するためには必ず必要になるものがあります。
それが浜松まつり3種の神器と言われる、
- 町内の法被
- ワッペン
- 練り提灯
です。
町内の法被とワッペンは初凧を揚げる場所(凧揚げ会場)に入るのに必要です。練り提灯は夜に行われる初練り(激練り)に参加する時に必要です。
購入方法や金額は各町内によってさまざまですので、初子説明会の時に必ず確認しましょう。
糸目付け(時期:3月~4月の吉日)
初凧が完成すると、日のいい日時に糸目付け(いとめつけ)という行事が行われます。
自宅の前や公民館、氏神神社の境内で行われることが多いです。
完成したばかりの初凧に目打ちで穴をあけて、小糸を通します。
この日は記念写真も撮りますので、ばっちり正装を着ましょう。
町内によっては、この日集まった凧揚げ会の役員さんや親戚、お友達にお酒や料理を振舞う場合もあります。
開催日時や場所、接待の有無につきましては必ず凧揚げ会の役員さんにご確認ください。
会所開き(時期:3月末~4月上旬くらい)
浜松まつりまであと1ヶ月という時期になると、会所開き(かいしょびらき)という行事が各町内でとり行われます。
会所とは、
- 浜松まつりの準備
- 役員の会合
- 法被・ワッペン・提灯の販売
などが行われる、各町内の本部みたいな場所です。
公民館や氏神神社の集会所に設置されます。
「会所を今日から設置するよ!」という結成式のようなものが会所開きです。
会所開きでは、凧揚げ会の役員さんやメンバー、町内の住民たちが集まって、お酒や料理を囲みながら交流を深めます。
会所開きでは今年の初子紹介ということで、町内の住民の方々に初子さんがお披露目されます。
町内の方々に自分の子供の顔を覚えてもらえる良い機会となります。こうやって、町民同士の間で結束が強まっていくんですね。
凧揚げ会のみで会所開きを開催する町内もあります。会所開きへの参加の有無は事前に凧揚げ会の役員さんにご確認ください。
接待料理・お酒の注文(時期:4月中旬までに)
初子のお祝いでは本番当日の夜に親戚、お友達、凧揚げ会の人たちや町内の住民の皆さんを自宅や会所にお招きして初子接待を行います。そこで振舞う料理やお酒も事前に準備しておく必要があります。
料理やお酒は、知り合いの飲食店や居酒屋さんに頼んだり、ケータリングでオードブルを頼んだりします。4月になると、スーパーやお弁当屋さんが初子のお祝い用の接待料理のチラシがいろいろな場所で配られます。
FAXで簡単に注文できますし、本番当日に接待会場まで直接持ってきてもらえる業者さんもあります。
どのくらいの量の料理とお酒を用意すればいいのかについては、各町内のお祭りの参加者や、接待の順番によって異なります。料理やお酒の量と内容については、凧揚げ会の役員さんに事前に聞いておくことをおすすめします。
毎年接待を見てきており、蓄積された経験がありますのできっと的確なアドバイスをくれると思います。
浜松まつり本番当日
いよいよ迎える浜松まつり本番当日!!
朝からヘアーセットや親戚、お客さんの対応で大忙しだと思います。
初子さんの大凧を揚げるのは中田島砂丘の近くの凧揚げ会場です。浜松まつりに参加している全町内が同じ場所で大凧を揚げます。なので、会場や会場周辺はとても混雑しています。
忙しい中、大変だと思いますが、早め早めの行動で、凧揚げ会場に向かいましょう。
凧揚げ会場までの交通手段は、
- シャトルバス・町内貸し切りバス
- タクシー
- 自家用車
があります。
ただし、自家用車は通行許可証がないと会場近くに入ることができません。また、駐車場がありませんので注意が必要です。
シャトルバスや町内の貸し切りバスは会場から遠く離れた場所に降ろされてしまうので、赤ちゃんを抱いて、炎天下の中を凧揚げ会場まで歩くのは大変です。
一番おすすめなのがタクシーでの移動です。タクシーでしたら凧揚げ会場の近くまで行けます。
町内によっては、凧揚げ会場までの交通手段を用意してくれている場合もあります。
会場までの移動方法につきましては、凧揚げ会の役員さんに事前に確認しておきましょう。
初凧
初凧を揚げることは、初子のお祝いのメインイベントです。
凧揚げ会の皆さんが初凧を大空高く揚げてくれます。初凧が天高く昇ったら、万歳三唱のあと、ラッパと太鼓の激練り音楽に合わせて初子の誕生のお祝いです!!親戚やお友達もお呼びして、盛大にお祝いしましょう。
初凧が空で安定すれば、糸を持たせてくれる場合もあります。初凧が風を受ける重みを感じながら、わが子の成長を祈る瞬間は感動もひとしおです。
凧揚げ会の皆さんに初凧を地上に降ろしてもらい、初凧の前で記念撮影をして終了です。
終了したと言っても、一息つく暇も無く、今度は家に戻って夜の初子の接待の準備です。
帰りのバス停やタクシー乗り場も大変混みあっていますので、早め早めの行動がおすすめです。
初子の接待
初凧を揚げてもらった夜は、凧揚げ会の皆さんや町民の方々の労をねぎらうために料理やお酒を振舞います。場所は自宅の前でやったり公民館や会所、氏神神社の境内でやります。
ラッパと太鼓の音に合わせて鏡開きをしたりします。
接待の場は、町民同士の交流の場にもなっています。同級生やお友達も集まり、思い出話に花が咲きます。
接待の最後には町内の皆さんがラッパと太鼓に合わせて、練り提灯を高くかかげ、激練りでお祝いをしてくれます。
これで、浜松まつりの「初子のお祝い」が終了します。
片付けをしていると、どっと疲れが・・・(汗
次の日はゆっくり休むことをおすすめします。
初子のお祝いは何歳でやるのか?
初子のお祝いをやる年齢に特に決まりはありませんが、ほとんどの場合、生まれた年の翌年にやる人が多いようです。
浜松まつりは昼間は炎天下の凧揚げ会場に行ったり、夜は騒音の中、深夜までお祭りが続くので、生まれたばかりだと赤ちゃんの負担が増えてしまいます。なので、生後1年くらい経ってからやるご家庭が多いです。
最近では、兄弟姉妹や親戚と一緒にまとめて初子のお祝いをする人も多いです。上の子が女の子の場合、下の子で男の子が生まれたら、兄弟姉妹みんなでやるというパターンもあります。なので、上の子は幼稚園児になってから初子のお祝いをするなんてこともよくあります。
兄弟姉妹みんなでやる場合は、連名といって初凧に兄弟姉妹全員の名前を書いたりします。
最後に
いかがでしたでしょうか???
初子のお祝いってちょっと大変かも・・・
って心配になられた方もいると思います。
でも、初子のお祝いをやった人に話しを聞くと、ほとんど全ての人が「大変だったけどやってよかった!」って声を合わせて言います。
最近は、少子化や町内コミュニティの希薄化から初子のお祝いをする家庭が減ってきています。
しかしっ!!
一生に一回しかできない初子のお祝いだから、もしできる環境にあるのなら初子のお祝いをやってあげてください!!
最後にくどいようですが・・・。
こちらのページで解説させていただいた内容はだいたいの一般的なものになります。
参加される町内によって、行事や内容、開催時期や順番が異なる場合が多々ございます。
各町内の「初子のお祝い」のやり方については、必ず凧揚げ会の役員さんに確認するようにしてください。
関連する記事
浜松まつりの初子のお祝いに関する記事は他にもあります。初めての浜松まつりで何をしていいのか分からない人は、ぜひ参考にしてくださいね。