2017年にTBS系列のテレビ局で放送された陸王がきっかけで注目され始めたのが地下足袋シューズです。最近ではランニングの時にスニーカーの代わりに地下足袋を履く人も増えてきました。
この記事ではランニングの時に使用する地下足袋シューズの効果や特徴について詳しく解説しています。地下足袋シューズをランニングで履いてみようと検討中の人のために、おすすめの地下足袋シューズの紹介やサイズの選び方についても解説しています。
お祭りに参加する時の地下足袋の選び方については別の記事で解説しています。お祭り用の地下足袋の購入を検討している方は関連記事をご覧ください。
目次
地下足袋シューズの効果と特徴
ランニングで地下足袋を使用するといいよという話はよく聞くけれど、具体的にどんな効果があるの?と疑問に思っている人のために、地下足袋シューズの効果と特徴について解説してみたいと思います。
地下足袋シューズの効果を一言で言いますと、裸足でランニングしている感覚に近いということです。なぜ裸足に近い感覚がランニングに適しているのかについて解説します。
親指が分かれている
地下足袋シューズとスニーカーの違いで一番大きいところが、地下足袋シューズはつま先部分が分かれていることです。
地下足袋シューズはつま先部分が分かれているので、足の親指とそれ以外の指を入れるところが異なります。そのため、足の親指と人差し指の間が広がります。すると足の指を曲げることができるので、自然と足先に力を入れることができるようになります。
人類の歴史を紐解くと、もともと何万年も裸足で地面を走っていました。靴を履きだしたのはここ数百年のことです。スニーカーに至っては、普及したのはここ何十年の話です。
人間のDNAに刻まれている本来の正しい走り方は裸足で走る時の感覚です。つまり、足の指を広げ、地面をつかみながら走るというものです。残念ながら現代は、アスファルトだらけの地面なので、裸足で走ることができません。そんなアスファルトだらけの地面でも、足の指に力を入れやすい履物が地下足袋シューズなんです。
つま先が2つに分かれているから足の指が広がる。足の指を使った人間本来の走り方ができる。
ソールが薄い
ランニング用の地下足袋シューズはソールが薄いです。足袋底には薄いゴム製のソールが付いているだけなので、最近の高機能なスニーカーと比べると、驚くほど簡素な作りです。
最近のスニーカーはクッション性や弾力性があるので、初心者ランナーの人でも楽に走ることができるものが多いです。しかし、高機能スニーカーではスニーカーの性能に助けられているところが大きいので、本来の自分の足の力では走っていません。
さらなるランニングの高みを目指したい人にとっては、自分の足裏のことを理解し、自分の足の力をより効果的に使った走り方を追求する必要があります。
そんな人におすすめなのが、ソールが薄い地下足袋シューズなんです。
ソールが薄いということは、地面の感覚がダイレクトに足に伝わってきます。走っている時にどのように自分の足が地面に着地し、どこに力を入れているのか、自分の足の使い方が分かるようになります。地下足袋シューズを日々のトレーニングに取り入れることで、自分のランニングフォームが分かってきます。
ソールが薄いことのデメリットですが、地面の衝撃が直接体に伝わってくるので、間違った走り方をしているとヒザに負担をかけてしまいます。なので、地下足袋シューズを初めて使用する人は、最初のうちは短い距離を歩くことから初めてください。使用していくうちに、自分の足の使い方が分かってくるので、ヒザに負担をかけない走り方ができるようになっていきます。そうしたら、ちょっとずつ距離を増やしてランニングのトレーニングに取り入れていくことをおすすめします。
ソールが薄いから地面の感覚が直接足に伝わる。自分の足の使い方が分かるようになる。
重量が軽い
地下足袋シューズは作りがシンプルなので、重量が軽いです。
たとえば、丸五というメーカーの地下足袋シューズであるhitoeは26.5cmサイズで片足分がたったの160gしかありません。一般的なスニーカーの重量が350gくらいなので、地下足袋シューズがいかに軽く作られていることが分かると思います。
重量が軽いということは、より素足で走っている感覚に近くなります。走っている時に履物の重量が気になると、疲れやすくなってしまいます。重量が気にならず、走っていても疲れにくいのが地下足袋シューズの特徴です。
重量が軽いから、重さが気にならない。走っていても疲れにくい。
ランニングにおすすめの地下足袋シューズ
ランニングに地下足袋をシューズを取り入れてみようと検討されている人のために、おすすめの地下足袋シューズをご紹介します。
きねや足袋 無敵(MUTEKI)
小説やドラマで話題の陸王に登場した地下足袋シューズのモデルになった商品です。最近の地下足袋シューズブームの火付け役です。
ランニング足袋のMUTEKIは伝統的な製法で仕上げた足袋そのものに、グリップ力の高い薄さ5mmの天然ゴムソールを手縫いで縫い付けた新しいタイプの履物です。従来の足袋型シューズやつま先の割れたデザインのシューズとは異なり、ソールにクッション等の保護材料は一切使用せず、限りなく素足感覚に近づけました。自然と足裏全体で着地するような感じになるため、人間本来の走り方を取り戻すツールに1つになります。またソールの削れ具合や地面をとらえる際の足の感覚により、ご自身の体重移動を把握することで、無理のない範囲で走り方の改善のサポートをします。
無敵の特徴
メーカーのきねや足袋が無敵の特徴について解説していますので、ご紹介したいと思います。
シューズは、進化した。
人間の足は、退化した。厚いソールに保護され続け、現代人は動物界で唯一の走り方を身に着けてしまった。きねや無敵は、ソールにクッションなどの保護材料を一切使用せず、限りなく素足感覚に近づけた。だから、自然と足裏全体で着地するようになる。今こそ、人間本来の走り方を取り戻す時。
地面の感触まで、景色だ。
世界にはいろんな道がある。でも、このシューズを履くと分かる。世界にはいろんな地面がある、ということが。足音の響くコンクリート、柔らかい草むら、顔をしかめるような砂利道。高機能なシューズを履くほど、足元の感覚は遠ざかってしまう。目に映る景色と同じように、地面の表情も楽しんでほしい。
かっこいい名前のテクノロジーは、使っていません。
最近のランニングシューズには、わくわくするようなテクノロジーが搭載されています。名前を見ているだけで欲しくなってしまいますよね。でも、時にテクノロジーが、人間本来の走りからあなたを遠ざけてしまうこともあります。早く走るのも気持ちいい。でも、一生長く走りたいあなたのために作りました。
最初は笑われます。
覚悟して下さい。「なにそれ、新しいね(アタシは履かないけど笑)」、「へー、ソールが薄くて走りやすいんだ(オレは厚底だな笑)」履いたこともない周りの声は気にしなくていい。このソールの薄さによって、自然と足裏全体で走るようになり、素足感覚で人間本来の走りに近づける。この靴を履きこなした時、最後に笑うのはあなただ。
しばらく走らないでください。
一番走りたいときにすみません。このシューズは、慣れるまでに時間がかかります。だから、レースが明日なら履かないでください。初めて履く時、いや、3回目くらいまでは、ふくらはぎなどの普段使わない筋肉が痛みます。それは、あなたが今までシューズに頼っていた分かもしれません。ゆっくりと人間本来の走り方を取り戻していきましょう。
無敵のカラーバリエーション
無敵のカラー展開は全部で7種類あります。男性用サイズだけでなく女性用サイズもあります。
男性用サイズはグレー、ブラック、ブルーの3色があります。
女性用サイズも同じくグレー、ブラック、ブルーの3色があります。紐やステッチの色、ソールの色が男性用と異なり、女性らしいデザインになります。
新たに新色で白色が登場しました。ドラマ陸王に登場した地下足袋シューズをモチーフにした新商品です。綿生地でできています。男女兼用サイズとなっています。
無敵の付属品
無敵には履き方やランニングのトレーニング方法が詳しく書かれたアドバイスブックが同梱されています。この冊子を読めば、より効果的にトレーニングをすることができます。
取扱説明書では、治療院の案内までしています。
今人気の厚底ランニングシューズ。でも、かえって怪我をする人が増えています。「人間本来の走り方を手に入れ、ランナー人生を延ばしてほしい。」私たちは、その想いだけでつくりました。正しい走り方、呼吸法、そしてオススメの治療院。シューズの説明以外にもページを割いています。健康のためのランニングで、不健康になっては元も子もありませんから。
丸五 hitoe
地下足袋の最大手メーカー丸五がプロのアスリートと一緒に開発した本格的な地下足袋シューズです。
本来足の指は、それぞれ機能をもち、全く異なる動きをしています。一般的なシューズではその動きにあわせることができず、足本来の機能は妨げられてしまいます。hitoe(ヒトエ)は、100年の歴史を誇る日本屈指の老舗地下足袋メーカー(株)丸五が、足袋の持つ足指と足裏の力を高めるユニークな働きに着目して開発したトレーニングシューズです。つま先が分かれた特徴的な足袋型フォルムは、親指と人差指に自由な動きをもたらし、地面をしっかりと掴む足指本来の動きを可能にします。普段使用していない足底腱膜が鍛えられることで運動時のバランス力が向上、リフレクソロジー効果も期待できます。どこまでも機能的で、どこまでもシンプル。余計なものを排した「鍛える靴」。日本古来の「禅」の精神につながるものと考え「ヒトエ(単)」と命名しました。
hitoeの特徴
メーカーの丸五がhitoeの特徴について解説していますので、ご紹介したいと思います。
出典:丸五公式ホームページ
運動時のバランス能力が向上
足裏感覚が磨かれ運動時の重心や足の着地位置が自然と意識できるので運動時のバランス能力がアップします。自社による実験ではhitoeを履くと普段の靴を履いているよりも、バランスが取れるという結果になりました。また、5週間履き続けることで、hitoeはもちろん普段の靴を履いた測定でも動的バランスが改善されました。これは競技などで、専用シューズを履いた場合でも、hitoeのトレーニング効果が期待できると考えられます。
推進力が高まり、より力強い走りへ
普段は使わない足指・足裏の筋肉が鍛えられ足指で地面をつかむ力が強くなるので走行時の推進力が高まります。自社による実験ではhitoeを5週間履き続けることで、歩行時の左右のブレ(左右方向への加速度)が少なくなり、推進力(前方向への加速度)が増すという結果になりました。
重心のブレが減り、安定感やコントロール能力がアップ
足裏足指で地面をつかむ感覚が自然と身につくので、重心のブレが少なくなり運動時の安定感が高まります。自社による実験では、hitoeを5週間履き続けることで、重心動揺における総軌跡長および矩形面積の値=体の重心のブレが減少しました。また、動的バランスの制御=身体コントロール力も改善されました。
疲労を軽減し、怪我を防ぐ
足裏やふくらはぎの筋力が高まるので姿勢やバランスがよくなり怪我を防ぎ疲労しにくくなります。自社による実験では、hitoeを5週間履き続けることで、足指筋力が向上するという結果になりました。
hitoeのカラーバリエーション
丸五のhitoeのカラー展開は全部で5色です。男女兼用サイズとなっています。
hitoeの付属品
hitoeには専用のクッションインソールが付属します。その日の体調に合わせてクッション性を調整することが可能です。
丸五 スポーツジョグ2
地下足袋メーカー丸五のミドルカットタイプ(丈がくるぶしが隠れるくらいまであるタイプ)の地下足袋シューズです。
ミドルカットタイプの足袋型スニーカー。甲の高さに合わせて調整可能な靴ひもタイプ。足当たりがソフトなメッシュ生地を使用。祭りはもちろん、トレーニングでも活躍する1足です。
スポーツジョグ2の特徴
スポーツジョグ2は他の地下足袋シューズと違い、靴ひもで足の締め付け具合を調整することができます。また丈もくるぶしが隠れるくらいまであるミドルカットタイプなので、足首を固定することができます。激しい動きをしても脱げにくいです。メッシュ生地をふんだんに使用していますので、通気性は抜群です。また重量も軽いため、よさこい祭りやランニングなど激しい動きをする時に使用しても足が疲れにくいです。
スポーツジョグ2のカラーバリエーション
スポーツジョグ2のカラー展開は全部で4色です。男女兼用サイズとなっています。
地下足袋シューズのサイズの選び方
ランニング用の地下足袋シューズの購入を決めた人のために、サイズ選びのポイントについて解説します。
靴下ソックスは履くの?
地下足袋シューズを履く時は用途に合わせて靴下を履くかどうかを決めます。
ランニングのトレーニングで足の使い方を把握したい時は靴下を履かずに素足のままで履くのがおすすめです。普段履きとして使用したい人や、趣味でちょっとジョギングをしたい人、また長距離のランニングをしたい人は足の蒸れやすり切れを防止するために、生地が薄い足袋型ソックスを履くことをおすすめします。
地下足袋シューズの用途 | 靴下の有無 |
ランニングのトレーニング | 素足のままで履く |
普段履きや趣味のジョギング | 靴下を履く |
サイズ選びのポイント
お祭りで履く時の地下足袋はワンサイズ大きめのサイズがおすすめですが、ランニングで使用する時の地下足袋シューズはちょうどいいサイズを選ぶようにしてください。
具体的には、靴下ソックスを履かずに素足の状態で地下足袋シューズを履きたい時は、足の実寸サイズよりもプラス5mm大きいサイズがちょうどいいです。たとえば、足の実寸サイズが26cmの人の場合は、5mm大きい26.5cmを選んでください。
靴下ソックスを履いて地下足袋シューズを履きたい場合は、足の実寸サイズよりもプラス10mm大きいサイズがちょうどいいサイズです。例えば、足の実寸サイズが26cmの人の場合は、10mm大きい27.0cmを選んでください。
素足で履く時 | 足の実寸よりプラス5mmのサイズ |
靴下を履く時 | 足の実寸よりプラス10mmのサイズ |
足の実寸サイズの測り方については別の記事で詳しく解説しています。足のサイズの測り方を知りたい人は、ぜひ関連記事をご覧ください。関連記事の中で、地下足袋のサイズの決め方について解説していますが、これはお祭りに参加する時の地下足袋のサイズの決め方になります。ランニングで使用する地下足袋シューズのサイズ選びとは異なりますのでご注意ください。
地下足袋シューズが買えるお店
店舗で購入
地下足袋シューズは祭り用品専門店の祭すみたやで購入することができます。お店は静岡県浜松市にあります。実際に地下足袋シューズを試着することもできますので、地下足袋シューズとはどのようなものなのか見てみたい人はぜひご来店くださいね。
祭すみたや 助信駅前店
〒430-0911 静岡県浜松市中央区新津町14-1
電話 053-489-3398
メール info@sumitaya.co.jp
ネット通販で購入
ランニング用の地下足袋シューズは祭すみたやのネットショップでも購入することができます。お店に行くことができない人でも自宅のパソコンやスマホから簡単に購入することができます。日本全国はもちろん、世界中に配送していますので、ぜひご利用ください。