お祭りに参加する時に必ず着るのが法被です。法被の読み方は「はっぴ」です。
お祭りで着る法被のことを正式名称で印半纏と言います。印半纏の読み方は「しるしばんてん」です。
町会や神輿会などの団体ごとにおそろいのデザインの印半纏を着ます。えりには団体の名前や町名などが入っています。そして背中には大紋(だいもん)と呼ばれる団体のマークが入っています。
法被は町会や神輿会などの団体が指定する決められたものを着ればいいのですが、法被の下の衣装は自分で用意する必要があります。
初めてお祭りに参加する場合、法被の下にどんな衣装を着たらいいのか分からずに、困っている人も多いと思います。
そこで、この記事では法被の下に何を着ればいいのかについて解説しています。
この記事を最後まで読めばこんなことが分かります。
- 法被の下に着る衣装の定番アイテム
- お祭り衣装のコーディネート事例
- 男性・女性・子供のお祭り衣装の違い
ちなみに、お祭りで着る法被とはどのようなものなのか?法被はどうやって選ぶのか?については別の記事で詳しく解説しています。法被について詳しく知りたい人は、関連記事をご覧ください。
目次
お祭りによって着るものが違う
法被の下に着るものですが、日本全国で統一された全員に当てはまる衣装というものはありません。なぜなら、地域やお祭りによって、法被の下に着るものがバラバラだからです。
お祭りと一言で言っても、着ている衣装はお祭りごとに全て異なります。同じ地域のお祭りであっても、団体が違うとお祭り衣装も異なる場合があります。
お祭りが開催される季節や場所、お祭りの形態によって、一番動きやすい衣装を着ていることが多いです。
例えば、真夏の暑い時期に開催されるようなお祭りでは半股引と呼ばれる半ズボンの衣装や締め込みふんどしを着たりします。また、春や秋の肌寒い時期に開催されるようなお祭りでは股引と呼ばれる長ズボンの衣装を着たりします。
このように、お祭りによって法被の下に着る衣装の正解は異なります。
法被の下に着るものの調べ方
それでは、何を着るのが正解なのかはどうやって調べればいいのでしょうか?
調べ方は簡単です!!
参加するお祭りの主催者や役員さんに法被の下に何を着ればいいのか確認すればいいのです。
お祭りで何を着るのが正解なのかを知っているのは、そのお祭りに参加している人だけです。中でもお祭りの責任者である主催者や役員さんは、必ず正解を知っています。まずは主催者や役員さんに確認するようにしましょう。
お祭りの主催者や役員さんが誰だか分からない場合は、昔からお祭りに参加している近所の人やお友達に確認するようにしてください。
ちなみに、お祭り用品店や呉服屋さんなどお祭り衣装を販売しているお店に聞いても、日本全国のお祭りを全て把握しているわけではないので、正確に答えられない場合があります。
実は普段着が一番多い
お祭りで法被の下に何を着ればいいのか確認したところ、「何でもいいよ!」と言われた時はどうすればいいのでしょうか。
そんな時は、自分の好きな衣装を着れば大丈夫です。
実は、日本全国のお祭りを見てみると、私服である普段着に法被だけを羽織っている人が一番多いようです。
ちょっとだけお祭りに参加したり、子供や孫がお祭りに参加している姿を見に行くだけでしたら、法被の下が普段着でも問題ないです。お祭り衣装を持ってないからという理由でお祭りに参加するのをあきらめるくらいなら、普段着に法被を着るだけでもいいから、お祭りに参加する方が何倍も楽しいですよ!
普段着は何でも大丈夫です。簡単なお手伝いをしたりお祭りを見るだけでしたら、ワイシャツとスラックスの上から法被を着ているだけで十分です。お神輿を担いだり、屋台や山車を引く場合は、動きやすく汚れてもいいような洋服を着れば大丈夫です。
法被に合わせる定番のお祭り衣装
せっかくのお祭りなのに普段着に法被を着るだけなのはもったいない!お祭り衣装の着こなしで周りの人と差をつけたい!という人は、ぜひお祭り衣装を着て、お祭りコーディネートを楽しんでください。
お祭りコーディネートをする時に必要となる定番のお祭り衣装をご紹介します。定番アイテムをそろえるだけでも、お祭り衣装のコーディネートのレベルが一段と上がりますよ!
定番の衣類
鯉口シャツ
お祭りで着るシャツと言えば鯉口シャツ(こいくちしゃつ)です。肉襦袢とも呼ばれます。シャツのそで口が鯉の口のようにすぼまってることから鯉口シャツと呼ばれます。無地のものや江戸小紋柄など、いろいろな色や柄の商品があります。
腹掛
鯉口シャツの上に着るエプロンのような形をしたお祭り衣装が腹掛(はらがけ)です。どんぶりや寸胴とも呼ばれます。江戸時代の大工さんが道具を入れる前掛けとして着ていたのが、腹掛の発祥です。藍染、白、黒、紺といった定番色の他にも、最近ではいろいろな色の腹掛が販売されています。
股引
長ズボンのような形をしたお祭り衣装が股引(ももひき)です。地方によってはパッチやまたびきとも呼ばれます。室町時代から大工さんなどの職人さんが作業着として着用したり、農家の人が農作業用に着用していました。脚にぴたっと引っ付くようにピチピチに着るのが粋な着方です。
半股引
半ズボンタイプの股引が半股引(はんたこ)です。江戸時代に飛脚の人など長距離を移動する人たちが着ていたのが由来です。半股引の丈はひざ上くらいまでと短いので、夏のお祭りでよく使用されます。
ダボシャツ
鯉口シャツとよく似た形のシャツがダボシャツです。その名の通り、ダボっと大き目に着るシャツです。見た目が涼しげなので、夏のお祭りでよく使用されます。
ダボズボン
ダボシャツと一緒に履くズボンがダボズボンです。腰紐を結んで履くタイプのダボ股引とゴムズボンタイプのダボゴムズボンがあります。ダボシャツ同様、ダボっと大き目に着るのが正しいサイズ感です。
定番の履き物
地下足袋
お祭りで履く定番といえば地下足袋(じかたび)です。ゴム底の付いた足袋のことで、そのまま外で履くことができる履物です。足首部分はコハゼと呼ばれる金具で固定するので激しい運動をしても脱げにくいです。最近では、スニーカーのようなクッションが足袋底に入った機能性の高い地下足袋も増えています。
雪駄
雪駄(せった)とはサンダルのような形をした履物です。お祭りで雪駄を履く時は素足で履きません。必ず岡足袋と呼ばれる雪駄専用の足袋を履いてから雪駄を履きます。雪駄はかかとを出して履くのが正しいサイズ感です。また、雪駄を履いて歩く時は、雪駄の底を地面にこするようにしながら歩くのが正しいやり方です。
草鞋
草鞋(わらじ)とはワラを編んで作られた日本の伝統的な履物です。草鞋の履き方は特殊で、藁ひもを足に巻きつけるようにして履きます。草鞋を履く時に必ず必要になるのが、草鞋掛け足袋です。
足袋
お祭りで使用する足袋には雪駄と一緒に履く岡足袋(おかたび)と草鞋と一緒に履く草鞋掛け足袋(わらじがけたび)があります。お祭りでは雪駄や草鞋を素足のままでは履きません。お祭りは人混みの中を歩くので、踏まれると怪我をしてしまいます。必ず岡足袋や草鞋掛け足袋と一緒に履くようにしてください。
定番の小物
角帯
法被を着る時にきちんと角帯(かくおび)を締めていると、見た目が粋でとっても格好いいです。角帯や平ぐけ帯、正絹帯、真田帯、博多帯などいろいろな種類があります。結び方も貝の口結びなどいろいろあります。
巻き帯
巻き帯(まきおび)とは法被を着る時に使用する帯です。もともとは手ぬぐいの反物生地を帯の長さに切って、帯の代わりに巻いたのが巻帯のはじまりです。現在では手ぬぐい素材のものだけでなく、楊柳生地の巻帯やポリエステル生地の巻帯などがあります。角帯よりも締めるのが簡単なので、お祭り初心者や女性におすすめの帯です。
はちまき
お祭りで頭に巻いているのがはちまきです。手ぬぐいを使ったはちまきや、ねじりはちまきなどがあります。手ぬぐいで巻くはちまきにはいろいろな結び方があります。
腰下げ巾着袋
腰下げ巾着袋(こしさげきんちゃくぶくろ)は角帯に取り付けて使用する小物入れです。財布やたばこ、手ぬぐいなどを入れます。何も入れずに飾りとして付けておいても大丈夫です。
お祭りポーチ
お祭りポーチは財布やたばこ、手ぬぐいなどを入れる小物入れです。腰下げ巾着袋は角帯を締めていないと付けることができませんが、帯を締めていない時や巻き帯を締めている時でも使用することができます。
下着は着るの?
お祭り衣装を着る時は下着を着るのか着ないのか悩む人も多いと思います。お祭りでは着た方がいい下着と着ない方がいい下着があります。
鯉口シャツの中にインナーは着るの?
鯉口シャツやダボシャツの中にはTシャツなどのインナーの下着は着ません。素肌の上から着るようにしてください。鯉口シャツやダボシャツはこれ自体が下着のような役割をしています。ですので、下着の中にもう一枚下着を着るのはおかしいです。
女性の場合も鯉口シャツやダボシャツの中に下着は着ません。ベージュ色などの目立たないブラジャーのみを付けてから着てもらえば大丈夫です。
鯉口シャツの正しい着方については別の記事で詳しく解説しています。下着についても詳しく解説していますので、ぜひ関連記事をご覧ください。
股引の中にパンツは履くの?
股引や半股引の中にはパンツやショーツを履きます。派手な柄の下着を履くと白色の股引や半股引から透けて見えてしまうので、白色やベージュ色などの目立たない色の下着を履くようにしてください。お祭りによっては下着を履かずに半股引を履く場合もあります。
お祭り衣装を着る時のパンツについては別の記事で詳しく解説しています。どんなパンツやショーツを履けばいいのか詳しく知りたい人は、ぜひ関連記事をご覧ください。
地下足袋の中に靴下は履くの?
お祭りで地下足袋を履くときは、靴下を履くことをおすすめします。地下足袋は密閉性があるので、長時間履いていると足が蒸れてしまいます。快適に地下足袋を履くためにも靴下を履くことをおすすめします。靴下は親指部分が分かれている足袋ソックスや5本指のソックスを履くようにしてください。
地下足袋を履くときになぜ靴下も履いた方がいいのかについては別の記事で詳しく解説しています。靴下を履かずに地下足袋を履いたらどうなってしまうかについても解説していますので、ぜひ関連記事をご覧ください。
お祭り衣装の着こなし方
お祭り衣装にはどのようなアイテムがあるのか、前章でご理解いただけたかと思います。しかし、これらのアイテムをどうやって組み合わせたらいいのか分からない人も多いと思います。
そこで続いて、お祭りスタイル別のコーディネート事例について解説します。
全国各地のお祭りごとにいろいろなお祭りスタイルがあるのですが、ここでは代表的なお祭りスタイルを4つご紹介します。
- 江戸前スタイル
- 半股引スタイル
- ダボスタイル
- 締め込みスタイル
江戸前スタイル
江戸前のお神輿を担ぐ人たちのお祭り衣装のコーディネートが江戸前スタイルです。東京で開催される三社祭や神田祭に参加している人たちが着ているお祭りコーディネートです。
江戸前スタイルの歴史
江戸前スタイルは江戸時代に大工さんが着ていた衣装が発祥とされています。江戸時代の大工さんは火消しも兼ねていたことから、火事と喧嘩は江戸の華という文化の中で江戸前スタイルが確立していきました。
江戸前スタイルに必要なお祭り衣装
江戸前スタイルは腹掛と股引に鯉口シャツを合わせて着ます。足元は地下足袋や草鞋、雪駄を合わせます。草鞋や雪駄を履く時は、必ず足袋を履くようにしてください。裸足で草鞋や雪駄を履くと、せっかくの江戸前スタイルが台無しです。
法被を着るときは帯をしっかり締めます。法被がはだけていると見た目が野暮ったいので注意しましょう。はちまきやポシェットなどの祭り小物を使って粋に着こなしを演出するのがポイントです。
江戸前スタイルの詳細については別の記事で詳しく解説しています。江戸前スタイルでコーディネートしてみようと考えている人は、ぜひ関連記事をご覧ください。
半股引スタイル
暑い夏の時期にお祭りに参加するなら半股引スタイルがおすすめです。半股引は「はんたこ」と読みます。半ズボンのようなひざ上までの丈の股引を履くのが特徴的なお祭りコーディネートです。
半股引スタイルに必要なお祭り衣装
半股引スタイルは夏祭りでよく着られることから、全て白色のお祭り衣装で合わせることが多いです。白色の鯉口シャツ、白色の半股引、白色の足袋といった具合です。
法被を着るときは、法被のすそから半股引がはみ出るように短めの丈の法被を合わせてください。法被の丈が長い場合は、法被のすそを折り曲げて、半股引が見えるようにすると粋です。
半股引スタイルの詳細については別の記事で詳しく解説しています。半股引スタイルでコーディネートしてみようと考えている人は、ぜひ関連記事をご覧ください。
ダボスタイル
ダボシャツとダボズボンを合わせたお祭りコーディネートがダボスタイルです。ゆったり着ることができて、見た目にも涼しげなダボシャツとダボズボンは、夏のお祭りにピッタリのお祭り衣装です。お祭りに参加する時はもちろん、お祭りの行き帰りの移動着としても最適です。
ダボスタイルに必要なお祭り衣装
法被を着ずにダボシャツとダボズボンだけで着る方法もあります。お祭りの行き帰りにするコーディネートになります。お祭りの縁日で的屋さんが着ているコーディネートでもあります。足元は雪駄がおすすめです。
町会や神輿会などの法被を羽織れば、ダボスタイルでお神輿を担いだり、屋台や山車を引くこともできます。法被を着る時は必ず帯を締めるようにしましょう。足元は地下足袋がおすすめです。
ダボスタイルの詳細については別の記事で詳しく解説しています。ダボスタイルでコーディネートしてみようと考えている人は、ぜひ関連記事をご覧ください。
締め込みスタイル
ふんどしを履いているのが特徴的なお祭りコーディネートが締め込みスタイルです。
締め込みスタイルの注意事項
お尻を丸出しにしているので、一見怪しい人に見えますが、これも伝統的なお祭りコーディネートのひとつです。
ただし、下半身の肌の露出が多いお祭りスタイルになりますので、お祭りによっては締め込みスタイルが禁止されている場合があります。締め込みスタイルでお祭りに参加しようと考えている人は、必ずお祭り主催者に確認してください。マナーを守ってお祭りを楽しみましょう。
締め込みスタイルに必要なお祭り衣装
締め込みスタイルを着こなすために必要な祭り衣装は下記の3アイテムです。
六尺ふんどし、鯉口シャツ、腹巻を着たら、町会や神輿会の法被を着て帯を締めます。法被のすそが長い場合は、すそをまくり上げて帯に挟むようにしてください。お尻の下あたりが半ケツ状態でちょっと見えているくらいが格好いいです。
締め込みスタイルの詳細については別の記事で詳しく解説しています。締め込みスタイルでコーディネートしてみようと考えている人は、ぜひ関連記事をご覧ください。
女性や子供が着るものは?
お祭りは男性だけのものではありません。女性や子供の参加者も全国各地でどんどん増えています。昔は男性しか参加できなかったお祭りも、現在では女性が参加できるようになっているところも増えているようです。
もちろん子供が主役のお祭りも日本全国にあります!家族みんなで楽しめるのがお祭りのいいところです。
女性や子供の場合も、法被の下に着るお祭り衣装の考え方は男性と同じです。
まず、お祭りの参加規約で衣装に関する決まりがある場合がありますので、お祭りの主催者や役員さんに確認するようにしてください。決まりがない場合は、自由にお祭り衣装を選んでいただければ大丈夫です。
赤ちゃんの場合は、お祭りロンパースや腹掛スタイなど、赤ちゃん用のお祭り衣装もあります。
子供のお祭りスタイルの詳細については別の記事で詳しく解説しています。子供のコーディネートについて知りたい人は、ぜひ関連記事をご覧ください。
お祭り衣装を売っているお店
店舗で購入
お祭りで使用する衣装は祭り用品専門店の祭すみたやで購入することができます。静岡県浜松市にある店舗では、赤ちゃん用サイズ、子供用サイズ、大人用サイズの見本を取り揃えています。実際に試着して自分にぴったり合ったサイズを選ぶことができます。サイズや種類を豊富に取り揃えていますので、ぜひご来店ください。
祭すみたや 助信駅前店
〒430-0911 静岡県浜松市中央区新津町14-1
電話:053-489-3398
メール:info@sumitaya.co.jp
※ 遠州鉄道 助信駅から徒歩1分
※ 大駐車場完備
ネット通販で購入
お祭り衣装は祭すみたやのネットショップでも購入することができます。お店に行くことができない人でも、自宅やスマホから簡単にお祭り衣装を注文することができます。日本全国に配送していますのでぜひご利用ください。サイズが合わない場合は、サイズ交換が可能ですのでご安心ください。