

お祭りに参加する人なら一度は憧れるのが藍染の法被です。年数の経過とともに、なんとも味わい深い風合いになる藍染の法被は長年お祭りに参加している証でもあり、お祭りに参加する人の勲章でもあります。

そんな藍染の法被や半纏ですが、お祭り用品の中でもお手入れ方法がかなり特殊です。新品の藍染めの法被や半纏は、まだ藍の染料が生地に定着していないので、ちょっと濡れただけでも脱色したり変色したりしてしまいます。そこで、こちらの記事では正しい藍染の法被のお手入れ方法や洗濯方法について解説します。法被・半纏以外の藍染お祭り用品(腹掛や股引など)の洗濯方法は異なりますので別のページでご確認ください。
藍染法被のお手入れ方法を動画で解説
藍染法被の正しいお手入れ方法
購入後2年間のお手入れ方法

藍染の法被や半纏は購入後2年間は絶対に洗濯しないでください。粋な祭り参加者の中には藍染法被は購入後2年間は着ないという方もいるくらいです。
特に水を浴びるお祭りやお酒のかかるお祭り(一気飲みが多いお祭りなど)は2年間は着用しないことをおすすめします。
お祭り終了後は汚れが付いてしまった場合はかたく絞った雑巾等で軽く拭く程度にとどめてください。そして、ハンガーにかけて日の当らない場所につるしておいてください。

3年目以降のお手入れ方法
3年経ってから藍染の法被を洗う時は、洗濯機の使用やクリーニングに出すことは避けてください。洗濯する時は、水道水で軽く押し洗いしてください。ギューギュー強く押さないように気を付けてください。お湯や洗剤・漂白剤の使用は厳禁です!!
もみ洗いは生地を傷めるだけでなく、藍の染料の落ち方にムラができてしまうため、せっかくの藍染法被がまだら模様になってしまいます。また、洗濯機は洗濯槽の中の部品の凹凸部分に生地がこすれてしまいます。こすれた部分の生地が傷んでしまったり、こすれた部分の染料だけが激しく落ちてしまい、まだら模様になってしまいます。
クリーニングに出す場合は、必ず藍染製品に詳しい和装衣類の専門店に出すことをオススメします。激安のクリーニングチェーン店に出したところ、ドライクリーニングされてしまい、大切な藍染の法被がボロボロになってしまったという話もよく聞きます。必ず藍染法被の受け入れ経験があるクリーニング店に出して下さい。

ご自宅で洗濯する場合は、洗剤や漂白剤は絶対に使わないようにしてください。
洗剤や漂白剤を使用すると、藍(あい)と洗剤が化学変化を起こし生地がボロボロになってしまいます。洗剤を入れて洗濯すると下の写真のように藍で染まっている部分と染まっていない部分の境目の生地が溶けてボロボロになります。ご注意ください。
洗濯する時は桶に水道水だけで、やさしく押し洗いしてください。お酢を入れる人もいますが、現代の藍染製品は化学塗料も入っている場合もありますので、変色防止のためにあまりオススメしません。
水洗いした後は軽く絞って陰干しします。法被を干すときは法被専用のハンガーのご利用をオススメします。
せっかく購入したのに2年間も洗濯できないの!?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、日本の伝統工芸品の特性をよくご理解の上ご利用くださいね。
法被専用ハンガーのご案内
祭り用品専門店の祭すみたやでは法被や半纏をクローゼットにかけるだけのために開発したオリジナルの法被専用ハンガーを販売しています。普通のハンガーですと法被がずれ落ちてしまい、上手くかけることができません。法被専用ハンガーは法被がクローゼットに引っかからない絶妙な長さなので、大切な藍染法被に不要なシワが入りません。また、棒がまっすぐなので法被がずれ落ちません。
