お祭りに参加している人たちが必ず着ている定番のアイテムが法被です。法被の読み方は「はっぴ」です。
町会や神輿会などの団体の人たちが着ているおそろいのデザインの法被のことを、専門用語で印半纏と呼びます。印半纏の読み方は「しるしばんてん」です。
印半纏のえりには、町会や神輿会などの団体の名前や町名が入っています。そして、背中には大紋(だいもん)と呼ばれる会のマークが入っています。
この印半纏ですが、日本の伝統的な染色技法である本染めで染められているものが多いです。
本染め法被は特殊な衣類に感じるので、どうやって洗ったらいいのか分からず、悩んでいる人も多いかと思います。そこでこの記事では、本染め法被の正しい洗い方について解説していきたいと思います。
この記事を最後まで読んでいただくとこんな事が分かります。
- 洗濯機を使った洗い方
- 干し方
- アイロンのかけ方
- 保管の仕方
ぜひこの記事を参考にして、本染め法被を傷めることなく洗えるようになってくださいね。
ちなみに法被には藍染と呼ばれる染色技法で染められたものもあります。藍染法被の洗い方は本染め法被と全く異なります。この記事で解説する洗い方で藍染法被は絶対に洗わないでください。最悪の場合、藍染め法被がボロボロになってしまう危険性もあります。
藍染め法被の正しい洗い方については別の記事で詳しく解説しています。もしお手持ちの法被が藍染めで染められている場合は、関連記事をご覧ください。
目次
本染め法被の洗い方を動画で解説
本染め法被の正しい洗濯方法について動画で詳しく解説しています。実際に洗濯機を使って実演しながら洗い方を説明しています。ぜひ動画をご覧ください。
本染め法被を洗濯機で洗う方法
お祭り終了後すぐに洗う
本染め法被をお祭りで着た後は、なるべく早く洗うようにしてください。
お祭りは、たくさん汗をかいたり、飲み物や食べ物をこぼしたりして、かなり法被が汚れます。中にはお酒を浴びるお祭りもあるくらいです。
お祭りで法被を着た後、そのまま放置しておくと汗や汚れがシミになって、なかなか落ちなくなってしまいます。特にお祭りで汗をたくさんかくと、法被のえり元に付いた汗ジミが茶色く変色してしまうので注意が必要です。
ですので、お祭りが終わった後は、なるべく早く本染め法被を洗うようにしてください。
法被を洗う時に色落ちを気にする人がいますが、実は法被は色落ちしていた方が粋で格好いいです。なので、法被の色落ちをあまり気にする必要はありません。法被の色落ちに対する考え方については別の記事で詳しく解説しています。色落ちが心配な人は、ぜひ関連記事をご覧ください。
洗濯機で法被を洗う手順
本染め法被は家にある普通の洗濯機を使って洗えば大丈夫です。
1.本染め法被のみを洗濯機の中に入れる
洗濯機の中には本染め法被だけを入れるようにしてください。本染め法被を洗うと水に染料が溶け出す恐れがあります。他の衣類と一緒に洗ってしまうと色移りする危険がありますので注意してください 。
2.洗濯機の設定をする
洗い → すすぎ → 脱水をします。
基本的に法被を洗濯機で洗う時は、洗剤を入れずに水洗いのみすれば大丈夫です。
もしお祭りでいっぱい汗をかいたり食べ物や飲み物、泥など汚れが付いて気になる場合は、中性洗剤を使用してください。
本染め法被を洗濯する時は、漂白剤は絶対に使用しないでください。
漂白剤を使用してしまうと本染めの染料が化学反応を起こしてしまいます。法被の色が変色してしまうだけでなく、生地がボロボロになってしまう危険があります。
洗いとすすぎは普通の衣類と同じように設定すれば大丈夫です。水洗いのみの場合は、洗い5分、すすぎ1回くらいに設定します。中性洗剤を入れた場合は、洗い15分、すすぎ2回くらいに設定します。
脱水はやりすぎると法被がシワシワになってしまいますので、軽く脱水していただければ大丈夫です。脱水は一番短い時間に設定してください。
乾燥機は絶対に使わないでください。乾燥機を使ってしまうと法被が急激に縮んでしまいます。全自動洗濯機に乾燥機能が付いている場合も、乾燥機能は使用しないように注意してください。
3.陰干しする
洗濯が終わったら、洗濯機の中から本染め法被を取り出して、陰干ししてください。
本染め法被を干す時は、直射日光が当たらない場所で陰干しするようにしてください。直射日光が当たる場所で発表を干してしまうと、急激に変色してしまう危険があるのでご注意ください。
本染め法被を干す時は法被専用ハンガーを使うことをおすすめします。
法被専用ハンガーは棒部分が真っすぐなので法被がずれ落ちません。洋服は肩部分が斜めに作られているので、普通のハンガーにちょうどフィットするようにできています。これに対し法被は、肩から袖にかけて真っすぐに作られています。
法被を普通のハンガーにかけて干してしまうと、すぐにずれ落ちてしまうだけでなく、型崩れの原因になってしまいます。法被を干す時に、普通のハンガーは絶対に使用しないでください。
法被専用ハンガーは祭り用品専門店の祭すみたやのオリジナル商品です。祭すみたやのネットショップで販売していますので、ぜひご利用ください。
洗濯して法被がシワシワになっている場合は、干す時にシワを伸ばすようにしてください。乾いた後のアイロンが楽になります。
本染め法被の保管方法
本染め法被にアイロンをかける
本染め法被が完全に乾いたら、シワを取るためにアイロンをかけてください。アイロンは家庭用の普通のスチームアイロンで大丈夫です。
アイロンをかける時は、生地のテカリを防ぐために必ずあて布をするようにしてください。
本染め法被は綿100%で作られている場合が多いので、中温~高温でアイロンをかけていただければ大丈夫です。
日の当たらない場所で保管する
アイロンがかけ終わったら、法被専用ハンガーに法被をかけてください。そして、クローゼットの中など日の当たらない場所で保管して下さい。
もしハンガーをかけておく場所がない場合は、法被を正しく畳んだ後、タンスの引き出しの中など日の当たらない場所で保管するようにしてください。
法被の正しい畳み方については、別の記事で詳しく解説しています。法被の畳み方について知りたい方は、ぜひ関連記事をご覧ください。
法被を洗濯する時の免責事項
この記事で解説させていただいた本染め法被の洗濯方法は、綿100%素材でできた、一般的な染め方で作られた法被の洗い方になります。ポリエステルなどの化繊が入っている生地や正絹の生地で作られた法被の場合、この記事で解説した方法では洗えない場合もございます。また特殊な染め方やシートが貼ってある場合なども、この記事で解説した方法では洗えないことがございます。
洗濯方法については、洗濯タグを必ず確認するようにしてください。
洗濯方法に不安がある場合は、本染め法被を購入されたお店に必ず確認するようにしてください。
この記事の洗濯方法で本染め法被を洗った結果、変色したり、生地がボロボロになったりしてしまっても、祭塾は一切責任は負えません。法被を洗濯機で洗う場合は、あくまで自己責任でお願いいたします。
オリジナル法被のご相談方法
来店・電話でのご相談
祭り用品専門店の祭すみたやでは法被の制作に関するご質問やご相談を受け付けております。お気軽にご来店ください。お電話でのご相談もお受けしております。分からないことがありましたら、一度お電話ください。
祭すみたや 助信駅前店
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ご相談フォーム
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