お祭りで法被を着る時に使用する帯ですが、大きく分けて2種類あります。角帯と巻帯です。
角帯ですが幅が太いタイプの角帯と幅が細いタイプの角帯があります。幅が細い角帯のことを平ぐけ帯と呼びます。平ぐけ帯の読み方は「ひらぐけおび」です。平ぐけ帯ですが色々な種類があります。綿素材の平ぐけ帯や正絹の平ぐけ帯です。正絹は「しょうけん」と読みます。絹(シルク)素材の帯です。
平ぐけ帯には色々な結び方があるのですが、祭塾でいろいろな種類の平ぐけ帯の結び方に関する記事を投稿してきました。その中でも人気の平ぐけ帯の結び方を3つ紹介したいと思います。
綿素材の平ぐけ帯も正絹の平ぐけ帯も、どちらも同じ帯の結び方をするのですが、この記事では正絹の平ぐけ帯を使った帯の結び方について解説していきます。
目次
平ぐけ帯の結び方を動画で紹介
人気の平ぐけ帯の結び方を動画で分かりやすく解説しています。まずは動画をご覧ください。
正絹平ぐけ帯の向き
帯の結び方を解説する前に、正絹の平ぐけ帯を締める時の注意点について説明します。
正絹の平ぐけ帯ですが、上下があります。華皿と呼ばれる小紋柄がある方が上になります。華皿の読み方は「はなざら」です。正絹の平ぐけ帯を体に巻く時は、華皿が上になるように注意してください。
法被のエリの重ね方
帯を締める時の注意点がもう一つあります。
帯を締める時の法被のエリの重ね方ですが、自分から見て左側のエリが上になるように重ねてください。ちなみに、左えりを上にして重ねることを和装用語では右前(みぎまえ)と呼びます。左えりが上にくるのですが、「右前」と呼ぶのでややこしいのですが、法被を着る時は注意してください。男性だけでなく、女性も子供も左えりが上にくるように着てください。
ちなみに、和服で右えりを上にして重ねることを左前(ひだりまえ)と言います。左前で和服を着るのは死に装束のみです。和服で右えりを上にして重ねるのは死んだ人だけです。法被も和服なので左前にして着ることは絶対にやってはいけません。法被を着る時も右えりを上に重ねないように注意してくださいね。
法被の正しい着方については別の記事で詳しく解説しています。法被の着方を知りたい人は関連記事もご覧ください。
神田結び
神田結びとは
まず最初に解説する人気の平ぐけ帯の結び方は神田結びです。神田結びの読み方は「かんだむすび」です。神田結びは下の写真のような感じで、結び目が十文字の形になっているのが
特徴的な帯の結び方になります。
帯の結び目の位置ですが、背中の方にくるのですが普通ですが、この神田結びはお腹の方に結び目がくるという格好いい帯の結び方になります。
神田結びの結び方の手順
それでは早速、平ぐけ帯を使った神田結びの結び方について解説していきます。
【1】帯の端から30cmぐらいのところまで半分に折って、帯を細くしてください。
【2】帯の端を左の脇腹にあててください。
【3】帯を体に2~3周巻いてください。巻く回数は体の太さによって異なります。帯を巻く位置ですが、おへその上あたりにるようにしてください。
【4】反対側の端が余ってしまう場合は、帯を内側に折って長さを調整してください。
反対側の端は右の脇腹の真横あたりまでくるのがちょうどいい長さです。
【5】反対側の端も端から30cmぐらいのところまで半分に折って帯を細くしてください。
【6】左脇腹にあてた端を上から取り出してください。
【7】左右の端を持って1回きつく結んでください。
【8】上の方に出ている端を手前に折り曲げてください。
【9】上に向かって、もう1回折りたたんでください。
【10】下から出ている端を、先ほど折りたたんだ端の上にかぶせてください。
【11】体に巻いてある帯と折りたたんだ端の間に穴があいているので、その穴に下から持ってきた端を折りたたんで入れてください。ここはちょっと難しいので、動画でぜひ確認してみてください。
【12】結び目が十文字になるように形を整えてください。
【13】帯と法被の形をきれいに整えて完成です。帯の結び目がおへその上あたりにくるように位置を合わせるのが粋に着こなすコツです。
喧嘩結び
喧嘩結びとは
続いてご紹介する平ぐけ帯の結び方は喧嘩結びです。喧嘩結びの読み方は「けんかむすび」です。喧嘩結びは下の写真のように角がピーンっと立っている形をしているのが特徴的な帯の結び方になります。
喧嘩結びは江戸時代の火消し衆がいざ喧嘩になったら、すぐに帯をはずせるような巻き方をしていたのが由来となっている帯の結び方です。角の部分を引っ張ると簡単に帯がはずせる
帯の結び方です。
喧嘩結びの結び方の手順
それでは早速、喧嘩結びのやり方について解説していきます。
【1】帯の端から30cmぐらいのところまで半分に折って、帯を細くしてください。
【2】帯の端を左の脇腹にあててください。
【3】帯を体に2~3周巻いてください。巻く回数は体の太さによって異なります。帯を巻く位置ですが、おへその上あたりにるようにしてください。
【4】反対側の端が余ってしまう場合は、帯を内側に折って長さを調整してください。
反対側の端は右の脇腹の後ろぐらいまでくる長さがちょうどいい長さです。神田結びよりも長めにするのがポイントです。
【5】反対側の端も端から30cmぐらいのところまで半分に折って帯を細くしてください。
【6】左脇腹にあてた端を上から取り出してください。
【7】左右の端を持って1回きつく結んでください。
【8】上の方に出ている端を手前に折り曲げてください。
【9】上に向かってもう1回折りたたんでください。
【10】下から出ている端を先ほど折りたたんだ端の上にかぶせてください。
【11】体に巻いてある帯と折りたたんだ端の間に穴があいているので、その穴に下から持ってきた端を折りたたんで入れてください。ここはちょっと難しいので、動画でご確認ください。
【12】帯の結び目の形を整えてください。角がピーンっと立ってるように形を作るのが喧嘩結びをきれいに見せるコツです。
【13】帯と法被の形をきれいに整えて完成です。帯の結び目がおへその上あたりにくるように位置を合わせるのが粋に着こなすコツです。
貝の口結び
貝の口結びとは
最後にご紹介するのが、貝の口結びです。貝の口結びの読み方は「かいのくちむすび」です。この貝の口結びですが、お祭りでする帯の結び方の中で一番基本となる形になります。お祭りに参加している人の帯の結び方を見ると、ほとんどの人が貝の口結びのやり方をやっていると思います。初めてお祭りに参加するよっていうお祭り初心者さんは、まず貝の口結びからマスターしてください。
貝の口結びの結び方の手順
それでは早速、貝の口結びのやり方について解説していきます。
【1】帯の端から30cmぐらいのところまで半分に折って、帯を細くしてください。
【2】帯の端を左の脇腹にあててください。
【3】帯を体に2~3周巻いてください。巻く回数は体の太さによって異なります。帯を巻く位置は腰骨ぐらいの高さが最適です。
【4】帯が余ってしまう場合は内側に折り曲げてちょうどいい長さに調整してください。
右の脇腹の前あたりまでくるのがちょうどいい長さです。神田結びや喧嘩結びよりも短めにするのがポイントです。
【5】左脇腹にある端を上に出してください。
【6】両端を持って、1回きつく結んでください。細く折り曲げた方が下にくるように結んでください。
【7】幅の細い方の端を斜め上に折り曲げてください。
【8】幅の広い方の端を下に折り曲げてください。
【9】体に巻いた帯と細い方の端の間にできた穴に太い方の端を通してください。ここはちょっと難しいので、ぜひ動画で確認してみてください。
【10】結び目の形を整えてください。
【11】結び目が背中にくるように時計回りに帯を回してください。
結び目の位置は背中の真ん中よりも少し体の左側にずらすのが粋に着こなすポイントです。
【12】帯と法被の形を整えて完成です。貝の口結びの場合、帯を巻く位置は腰骨あたりになるようにしてください。
帯の購入方法
店舗で購入
この記事で紹介した帯の結び方に登場する帯は祭り用品専門店の祭すみたやで購入することができます。この記事で紹介した帯以外にもたくさんの種類の帯をご用意しています。帯の結び方が分からない時は、祭すみたやのスタッフが実演して説明させていただきますので安心して祭り帯を購入することができます。ぜひご来店ください。
祭すみたや 助信駅前店
〒430-0911 静岡県浜松市中央区新津町14-1
電話:053-489-3398
メール:info@sumitaya.co.jp
※ 遠州鉄道 助信駅から徒歩1分
※ 大駐車場完備
ネット通販で購入
お祭り用の帯は祭すみたやのネットショップでも購入することができます。祭すみたやのお店に行くことができない人でも、自宅やスマホから簡単に祭り帯を購入することができます。日本全国だけでなく、世界各国に祭り帯の配送が可能ですのでぜひご利用くださいね。